5月29日、あいけんとあいけん青年部合同研修会を実施いたしました。
本年は、大阪で開催されている2025年日本国際博覧会(略称:大阪・関西万博)を視察いたしました。
当日は、あいにくの天気ではありましたが結果的には日差しが少ない観覧しやすい天候となりました。当日は参加いただいたメンバー全員でハンガリー館を見学。以降については、各自で各国のパビリオンへ見学にいかれました。
国ごとにさまざまな文化を意匠的な展示・ブース展開にて紹介。今回参加された方々は、パビリオンごとに設計、施工された建物の構造やデザインなどにも目を向けられておりました。
大阪万博2025の目玉である「大屋根リング」は、その圧倒的なスケールで来場者を魅了します。この巨大な木造建築物は、木材の新たな需要と可能性を示す象徴的な存在です。
特に注目すべきは、柱と梁を接合する「仕口」の技術です。伝統的な貫接合を用いながらも、現代の耐震基準を満たす高度な技術が駆使されています。この木造のリングは、国産木材を主体とし、その建築面積は世界最大級としてギネス世界記録にも認定されています。
また、「大屋根リング」の建設には、大林組、清水建設、竹中工務店といった数社の大手ゼネコンが共同で作業にあたっており、それぞれの技術力を結集することでこの壮大なプロジェクトを実現しています。
「大屋根リング」は、デザイン性だけでなく、機能性、木材利用の可能性、そして日本の建設技術の高さを世界に示すものとして、研修会で強い印象を受けました。

今回の万博の一番の注目はは世界最大の木造建築「大屋根リング」でしたが私はRC構造物の仕事をしていますので私が今回の研修で興味を持っていたのは「夢洲駅」や夢洲の埋立て地の中を走っている地下トンネルでした。
夢洲の地盤は軟弱な埋立て地であり、地盤を固めるためのPBDや過去の工事での鋼板矢板など大量の残留物がありますがそのような残留物を取り除く機械や鋼板全面をそのまま切削していくシールドカッターなど開削トンネルおよびシールドトンネルを新しい工法や技術などで用いていました。
軟弱な地盤であるため掘削地盤の沈下や隆起、側面からの土砂の崩壊、地盤改良を進めながらの工事はかなり困難だったと思います。
大屋根リングの世界ギネスに埋もれがちですが今回の夢洲駅や約1キロの開削トンネルと泥土圧シールド工事は土木学会技術賞を受賞しています。
万博へ行くまでの普段は気にすることもない交通インフラではありますがその影には新しい技術開発、設計、施工そして沢山の努力が重なって出来上がった建造物と感じました。
